2012年 12月 6日 の記事

タイムマシンにお願い

聞いた話によれば、作家の司馬遼太郎が本を一冊書く事を決めると、その内容に関する資料となる書籍が神保町の古書店から消えたほどだったと言う。
ご本人から連絡を受けたナジミの古書店の店主から神保町界隈にある歴史に強い古書店の店主へと連絡が行くのだとか。
そうやって集められた膨大な資料を読み、解釈し、司馬先生の体の中で発酵させたものが作品となったわけだ。

しかしながら、司馬遼太郎が書いた歴史小説はあくまでも小説であって歴史書では無い。
このあたりの事が理解できないアホ丸出しの一部読者が司馬史観なるものに感化されてしまい、あれが歴史だと本気で勘違いしてしまうのだから困ったものなのだ。
たぶんご本人も創作なのに・・・と思っていたのだろうが、読み手がアホだと才気溢れる文豪も哀れだ。

ただし、創作するにしても歴史を学んでからやるのと無知なままでやるのとでは大きな違いがあると思う。

まぁ、そんな大げさな話ではないけれど私もビデオを作る際は色々と調べる。
調べている時間の方が製作している時間よりも何倍も長い。
そんなこんなで、例の赤城のリペイントの件もあってここんとこずっと色々調べものをしていた。
毎回ビデオ製作の度に経験する事になる試練とも言えるこの資料集めは文字通り難業だ。
今回も案の定真珠湾攻撃時の機体番号と機体の色がわからないのだ。

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– 午前六時に設定・・・ちょっと明るいかな? –

とりあえずIL-2のサイトで手に入れた零戦のskinをテストで使ってみる。
ちょっと汚れが激しすぎて私のイメージとは違う・・・
これは勝手なイメージなのでアレすが、開戦後の戦闘ならイザ知らず、緒戦であるところの真珠湾攻撃の際には機体はそれ程よごれていなかったのではないだろうかと思うのだ。
新造されたばかりの機体もあったろうし、日本人の性格からすればまさに乾坤一擲な大勝負に出る際には自らも清くありたいと願うと思うのだ。
当時の搭乗員の証言うを読んでみると、宿敵であるところの米国との決戦を前にして「もう思い残す事は無い」や、ハワイを目の前にして「ここまで来れたのなら死んでもよい」等の言葉が残されている事を鑑みるに、刺し違えてでも敵を屠る覚悟にも似た悲壮な決意があったと思われる。
そんな精神状態の零戦搭乗員からすれば愛機は文字通り己と一体だったはずなので、強敵と相見える晴れの日を迎えるにあたり己の死に場所たる愛機を整備員達と協力して出来る範囲内で綺麗にしたのではないだろうかと思うのだ。
もちろん古い機体もあったし、汚いまま出撃した搭乗員もいただろうが・・・

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– 森史朗(著) 運命の夜明け – 真珠湾攻撃全真相 –

さて、森史朗(著)”運命の夜明け- 真珠湾攻撃全真相”を読むと、12月8日の運命のこの日、最初に飛行甲板を蹴ったのは空母赤城所属の第一次攻撃隊 制空隊指揮官 板谷 茂少佐だったと書かれている。
と言う事でDLした板谷機を赤城甲板上に並べてみたのが上のSSだ。
※このblogでは第一次、第二次という表現に統一します。

↓真ん中が「汚れが激しすぎててイメージじゃない」と書いた機体で、奥のは白いけど一番イメージに近い。
手前の機体はちょっとグレーが強くて私が持っている真珠湾攻撃時の零戦の色のイメージとは違う。
それに、汚しが汚い・・・矛盾しているように聞こえるだろうが、ちょっと嫌な感じの汚しなうえ、機体番号がAI-155なのに帯の色が赤と言う時点でアレだったりそうじゃなかったり。

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– 別角度、昼間 –

ところで、この板谷少佐の搭乗機であるAI-155ですが、資料によるとAI-101と言う説もあって、この先も他の機体番号等で翻弄されるであろう自分の姿が想像できて萎える。
なにせ、零戦よりも明らかに資料が少ないであろう艦攻や艦爆などの機体番号や色も調べなければならないからだ。
今回はリペイントなどには余り時間を掛けられないので、本音を言えば既存のskinを使わせて頂いてビデオ製作に入りたいのだが・・・
艦攻とか艦爆自体あまりよく知らないし・・・
特に艦攻に関しては、部隊によって塗装の感じが違うらしく、軽く調べてみたところ「〇〇の部隊の色は地味」などの表現を目にしましたが自分的には??なのだ。
たぶん各部隊による迷彩の違いを言っているのだと思うけど、マークが違うだけでも大変なのに迷彩やらなんやらなんて考えただけでもウンザリする…(・_・`)

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– 真珠湾攻撃二日前の赤城飛行甲板上で万一に備えて待機するAI-101 –

因みにAI-101に関しては手持ちの写真集の中に掲載されていた写真の中にしっかりと写っており、その写真によれば垂直尾翼に帯が無いので指揮官の搭乗機では無いと思われる。
また、板谷機の垂直尾翼の帯の本数も諸説あるようだが、検索してみて一番多かった上二本、下に一本の計三本の黄色の帯とすることにした。
ただし、帯の色や機体の色に関しては言わずもがなで、モノクロ写真しかないので想像で塗るしかない。

先にも書いたが、この分だと艦攻や艦爆なども塗らないと駄目だと思う。
暇を見つけてはIL-2のskinなどを公開するサイトなどに赴き、真珠湾攻撃時を再現したリペなどを探してはいるものの正直言ってリペの数自体が少ないのは否めない。
それに、どの機体がどこを通って何を攻撃したかなども調べた上で必要なskinを集めなければならないので、我ながら結構時間が掛かりそうで萎えまくりなのだ。

Akagi_AI-155
– あたいのAI-155 – どっ・・・どうですかね? –

うっ・・・(‘A`)マンドクセ
もう止めちゃおうかな。
歳のせいか根気のいる作業は仕事以外無理。
私生活では我慢と言う二文字とはオサラバしたい今日この頃。
行きの飛行機の中で考えよう。

タイムマシンさえあればね。

つーことで、明日から出張で※LAXへ行って来るよ。
来週には帰ってくるよ。
※ロサンゼルス国際空港のスリーレターコードがLAXなのでそれから来てるんだけど、現地ではエル・エー・エックスって発音しないと通じないから注意が必要だ。

では、行ってきます。