Monochrome photography
本棚を整理していたら、以前に買った零戦の写真集が出てきた。
– 写真集零戦 ZERO FIGHTER 雑誌丸編集部編 –
ちょっと嬉しくなって本棚の前でペラペラとめくっていたら、一枚のモノクロ写真が目に止まった。
ラバウルの飛行場で、椰子の木をバックに若い搭乗員がカメラに収まっていた。
緊迫した最前線だからなのか、それともカメラを向けられた為の緊張からなのか、少し表情の硬いこの搭乗員は、多分私と同世代なんじゃないかと思う。
彼の生きた時代に仮に戦争が無ければ、彼は一体何をしていたのだろうか?
戦争がなくても飛行気乗りを志したかもしれないし、好きな音楽を聴き、友達と馬鹿げた話をし、恋をしたのかもしれない。
余談ですが、この時代を生きた兵士達の顔を見ていると、今の時代を生きる同世代と比べて総じて老け顔に見える。
”老け顔”と言うと御幣があるかもしれないけど、この時代の20代は今の時代で言うと30代くらいに見える。
逆に言うと、今を生きる人々の顔は総じて幼く見える。
「平和ボケだよ」と、当時の人々から言われそうだけど、生きた時代が違うとここまで顔に変化が出るのかと思うと面白い。
それに、明日死ぬかもしれない状況にも拘らず、なぜかカメラに収まった彼らの表情は生き生きとして見える。
この写真のキャプションの最後にはこうある。
”この零戦搭乗員は、激戦のソロモン航空戦を生き延びられたのだろうか?”
以前に読んだ、この時代を戦い抜いた撃墜王の言葉を思い出した。
”みなそんなに若くして死ぬ必要はなかった。そして、生き残った者は功績を認められなかった。”
– 坂井三郎 –
なんとも悲しい言葉だ。
平和のありがたみと、日本の為に戦った当時の同世代へお礼を込めて、久しぶりにIL-2のビデオを本気モードで作ろうかと思う。
タイトルは、そのものズバリ”RABAUL(仮)”
と言う事で、唐突に始まりましたが宜しく御願いします(・ω・)ノ